一部の人々は、THCV(テトラヒドロカンナビバリン)を「ダイエットウィード」と呼んでいます。
国内ではTHC(テトラヒドロカンナビノール)や類似成分と名前が似ているため、間違う方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、注目されているカンナビノイドの一つであるTHCVについて詳しく解説します。
THCVとは
THCVは、テトラヒドロカンナビバリンの略称であり、大麻草から抽出されるカンナビノイドの一種です。
THCVは含有量が少ないため、レアカンナビノイドとも呼ばれています。
過去の研究から、THCVにはさまざまな医学的利点があることがわかっており、海外では新しい治療薬としての可能性が期待されています。
この記事では、THCVの違法性や精神活性作用について詳しく解説します。
THCVの安全性とは
THCVは、イギリスやアメリカなどの海外企業による取扱実績から、高い安全性と信頼性が確認されています。
英国の製薬会社が行った臨床試験では、THCVは毒性がなく、安全性に問題はないという結果が得られました。
また、アメリカのとある企業が年間推定売上が700万ドルもあるにもかかわらず、THCVを含むグミを販売していますが、その使用による健康被害の報告はありません。
さらに、THCVは依存性がなく、THCのような性質もありません。
これらの具体的な事例から、THCVは確かに安全であると考えられます。
THCVの効果とは
THCVには医学的利点が期待されています。
具体的にはどのような効果が期待されているのでしょうか?
ここでは、THCVに期待できる4つの効果をご紹介します。
てんかんへの活用
THCVは、けいれんを伴う疾患であるてんかんに対して抗けいれん作用があり、効果が期待されています。
てんかんは、脳の電気活動に異常をきたすことが原因で、けいれんや意識喪失などの症状を伴う慢性疾患です。
2010年の研究では、けいれんを起こしたマウスにTHCV(0.025〜 2.5 mg/kg)を投与し、その有用性を評価する実験が行われました。
その結果、THCV(0.25 mg/kg)を投与されたマウスでは、けいれんの発生率が大幅に減少したことが報告されました。
THCVがてんかんなどの疾患に対して有益な効果を示唆しており、今後の研究に注目が集まるでしょう。
抗炎症・鎮痛作用
THCVは、他のカンナビノイド(CBNやCBGなど)と同様に「抗炎症作用」が期待されています。
2010年の研究では、THCVを炎症性疼痛を抱えるマウスに投与して、その有用性を評価する実験が行われました。
その結果、THCVを投与されたマウスは、後足に誘発された炎症や痛覚過敏の兆候が軽減されたことが報告されました。
食欲抑制効果
THCVは、食欲を抑制する効果が期待されており、海外では「ダイエットウィード」として知られています。
2009年の研究では、THCVを動物に投与して食欲行動を評価する実験が行われました。
その結果、低用量のTHCVが食欲を抑制し、体重減少を引き起こすことが明らかになりました。
また、THCVを投与された動物は、リバウンドが見られずに通常の食事行動に戻ったと報告されました。
これらの結果から、THCVは将来的に臨床試験が行われ、肥満治療の新たな薬として活用されることが期待されます。
禁煙効果
THCVは、禁煙効果が期待される成分です。
2019年の研究では、THCVをラットやマウスに投与して、ニコチン依存症に対する効果を評価しました。
その結果、THCVを投与されたラットは、ニコチンの探索行動やマウスの離脱症状が有意に軽減されたと報告されました。
THCVの違法性は?
様々なメリットがありつつも、現在、THCVを含む製品について、医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されます。
まとめ
ご紹介した通り、THCVは様々な効果がありますが、現在は規制されています。